投稿論文 ─要約文─

2014年

高脂肪食誘発脂肪肝モデルマウスに対するEnterococcus faecalis FK-23の有効性

現在、肝臓ガンの原因はC型肝炎よりも食事性の脂肪肝、特に非アルコール性の脂肪肝(NASHと呼ばれる)が多くなっています。 日本では200万人がNASHになっており、1000万人が予備軍であるとされ、社会問題となっています。

FK-23が脂質代謝の改善、肝機能の亢進する作用のあることは明らかとなっていましたが、NASHに対する効果は検討されていませんでした。 そこで、マウスに高脂肪食を与えてNASHを誘導すると同時にFK-23を与えて、どのような効果を示すのかを調べました。

その結果、FK-23を摂取することで、ALTおよび血糖値の低下、脂肪肝の軽減、脂肪合成の抑制などが確認されました。 一方で、FK-23が脂肪吸収を抑制しませんでしたので、体内での脂肪代謝に影響を及ぼすことが考えられました。

2013年

Enterococcus faecalis FK-23は肺の血管透過性を調節することにより、インフルエンザウイルス感染後の肺への白血球流入を抑制する

LFKをマウスに毎日経口投与し、7日目にインフルエンザウイルスを感染させ、生存率を観察しました。LFKを投与したマウスは生理食塩水を投与した対照群と比較して、生存率が有意に高くなっていました。さらに、肺の組織切片や肺の細胞数を調べると、ウイルス感染後の肺における白血球の流入が抑えられることがわかりました。また、その理由として、ウイルス感染後に不安定となる肺の血管透過が抑制されるためであることが明らとなりました。これらのことより、LFKは季節性インフルエンザだけでなく、肺での炎症が死に繋がるといわれるパンデミックインフルエンザや高病原性鳥インフルエンザに対しても効果が期待されます。

2012年

乳酸菌抽出物(LFK)はTh17細胞反応とアレルギー性気道応答を抑制する

マウスを4群に分け、対照群、LFK群、喘息群および喘息/LFK群としました。LFK群および喘息/LFK群にはLFKを毎日経口投与しました。
喘息群および喘息/LFK群にはアレルギー誘発物質を注射した後、同じアレルギー誘発物質を霧状にして吸入させることで、気道炎症、喘息症状を誘発させました。
誘発24時間後の気道の抵抗、喘息の原因とされる気道および肺胞中の炎症性細胞数において、喘息群は対照群と比較して喘息症状の悪化を示す結果が得られました。
さらに肺、脾臓および小腸の粘膜から単離したTh17リンパ球の割合が上昇していることが確認されました。
これに対して、LFKを与えた喘息/LFK群では、全ての項目において顕著な改善が認められました。以上の結果から、LFKのアレルギー反応の抑制作用は、Th17リンパ球の減少によるものと考えられました。

マウスアレルギー性鼻炎モデルにおけるLFKの効果と作用機序

マウスを3群に分け、それぞれをアレルギー群、アレルギー/LFK群および対照群としました。アレルギー群およびアレルギー/LFK群にはアレルギー誘発物質を週に1回、3週にわたって注射した後、2週間にわたり、鼻腔内にアレルギー誘発物質を毎日投与しました。アレルギー/LFK群には、LFKを毎日経口投与しました。
鼻掻き回数とくしゃみの回数を週に1回数えたところ、アレルギー/LFK群はアレルギー群と比較して、27日目と35日目にその回数が減少することが分かりました。実験最終日に血清中のIL-4IFN-γ、およびIgE量を測定すると、LFKを投与することでIL-4とIgE量が減少し、IFN-γが増加する傾向が認められました。
またLFK投与により鼻腔内に集まってくる炎症細胞の数を計測したところ、顕著な減少が観察されました。さらに過剰な免疫応答に対して調整的に働くTregと呼ばれるリンパ球の一種が増加していることが明らかとなり、LFKが有するアレルギー抑制作用のメカニズムの一つではないかと考えられました。

A型インフルエンザウイルス感染マウスの生存率に対するEnterococcus faecalis FK-23の効果

FK-23の水溶性成分をマウスに毎日経口投与して、投与7日目にA型インフルエンザウイルスを鼻に感染させました。感染後の生存率を調べたところ、FK-23を投与したマウスはFK-23を投与していない対照群と比較して、生存率を高めていました。さらに感染後の肺を観察すると、FK-23を投与することで肺の炎症が軽減されていました。このことから、FK-23を摂取することで、インフルエンザウイルスに感染しても過剰な肺の炎症を抑えて、肺炎といった重篤な症状を免れる可能性が期待できることがわかりました。

2010年

プロバイオティック乳酸菌Enterococcus faecalis FK-23の薬剤感受性とバンコマイシン耐性遺伝子の確認

プロバイオティック乳酸菌FK-23には多くの健康に役立つ機能があることが報告されています。本論文では、FK-23の安全性を確認するため、いくつかの抗生物質に対するFK-23の感受性と、特にバンコマイシンに対する耐性遺伝子の有無を検討しました。その結果、FK-23菌が著しい耐性を獲得した抗生物質は無く、バンコマイシン耐性遺伝子も持っていないことから、安全であることを確認しました。

乳酸菌制剤在黒毛和牛育肥中的効果

(肥育期の黒毛和牛におけるEnterococcus faecalis FK-23の投与効果)
黒毛和牛にEnterococcus faecalis FK-23製剤を投与して、肉質に与える効果を検討しました。FK-23投与群の牛に1日1頭当り8.0gのFK-23粉末を与えたところ、対照群と比較してFK-23投与群は、食欲亢進が見られ、一日に増える体重が顕著に増加しました。血清のビタミンEと総コレステロール値は顕著に上昇したにもかかわらず、血清のビタミンAの濃度は予定のレベルを維持しました。体脂肪の不飽和脂肪酸の割合は上昇の傾向を示し、出荷体重は平均4.3%、枝肉重量は平均9.3kg増加しました。この事から、FK-23製剤を与えることによって、肉生産性の上昇と、ビタミンE含量の高い高付加価値の牛肉が得られることが判りました。

ヒョウヒダニアレルゲンDer f 1 / Der p 1測定高感度Enzyme-Linked Immunosorbent Assayの確立

ヒョウヒダニの主要アレルゲン  Der f 1およびDer p 1をそれぞれ特異的に定量する高感度ELISAを確立しました。これらELISAにおけるDer f 1およびDer p 1の測定範囲は、ともに40〜2500pg/mlでした。また、高感度ELISAにおけるDer f 1あるいはDer p 1に対する抗原特異性も確認され、今後、室内塵中のアレルゲン測定のみならず、ダニアレルゲン不活化の研究など多方面で活用できる可能性が示されました。

2009年

乳酸菌Enterococcus faecalis FK-23加熱処理標品(FK-23標品)含有食品のヒトでの安全性検討

健康な被験者にFK-23を含有する試験食、または、FK-23を含まない試験食(プラセボ)を、1日9包ずつ4週間服用してもらい、血圧、血液検査、尿検査、身長、体重、自覚症状などを二重盲検試験で比較しました。その結果、FK-23が原因と思われる健康障害や有害事象は見られず、FK-23の飲用が安全であることが確認されました。

高脂肪食肥満モデルマウスに対する乳酸菌Enterococcus faecalis FK-23の影響

雄性マウスに、60kcal%脂肪食(高脂肪食)を摂取させ肥満モデルマウスを作成しました。高脂肪食と同時にFK-23を摂取させた群では、体重、体脂肪量、血糖およびレプチン が低い値を示し、肥満改善が期待できることが明らかになりました。

Effect of Enterococcus sp.Isolated from deep seawater on inhibition of allergic responses in mice.

(海洋深層水から単離されたEnterococcus durans TN-3の、マウスにおけるアレルギー抑制効果) 海洋深層水から分離した乳酸菌Enterococcus durans TN-3の生菌と死菌でアレルギー反応の1つである好酸球集積 を指標として効果を比較しました。生菌では、好酸球集積に対する抑制効果が確認できませんでしたが、死菌では、抑制効果が認められました。次に、死菌における用量依存性試験を行いました。対照群(0mg)、低用量群(15mg)、中用量群(30mg)、高用量群(60mg)に分け、好酸球集積、ACAおよび血清中IgE を調べたところ、中用量群では、すべての指標において抑制効果は見られませんでしたが、低用量群と高用量群で、好酸球集積、ACAおよび総IgEで抑制効果が認められました。

Enterococcus faecalis TN-9を用いた発酵豆乳の卵巣摘出ラットに対する抗肥満作用

雌性ラットに卵巣摘出手術を施し、閉経モデルマウスとして、富山湾海洋深層水 由来乳酸菌TN-9で醗酵した豆乳を投与しました。TN-9は豆乳に含まれるイソフラボン類の糖を分解して、女性ホルモン様の生理作用をもつ物質に作りかえる事が実験で示されています。その結果、体重、摂餌量、血糖値、体脂肪量において、TN-9発酵豆乳摂取群は、対照群と比べ低い値を示しました。これにより、閉経後の女性で女性ホルモンの急激な変化により見られる、肥満等の症状がTN-9発酵豆乳の投与により、抑制される可能性が示されました。

Purification and Characterization of Cold Adapted Metalloprotease from Deep Sea Water Lactic Acid Bacteria Enterococcus faecalis TN-9

(海洋深層水由来乳酸菌Enterococcuse. faecalis TN-9のプロテアーゼ の精製と特性)
海洋深層水由来TN-9の産生するプロテアーゼを、硫安分画イオン交換樹脂 により精製し、その性質を調べました。精製したプロテアーゼの働く至適温度は30℃、至適pHは7.5-8.0で、60℃以上の熱処理で完全に失活し、0℃でも6.1%の酵素活性を維持する事がわかりました。この結果から、TN-9の作るプロテアーゼは低温で働く性質を持つ事がわかりました。深層水というごく低温の環境に適応した酵素を作る乳酸菌TN-9は、低温処理が必要な食品への応用などに期待ができます。

2008年

Enterococcus faecalis FK-23 加熱製剤投与によるトラフグおよびヒラメへのワクチン接種効果の向上

腸球菌Enterococcus faecalis FK-23加熱死菌体(FK-23)添加配合飼料を給餌し、ワクチンを摂取した時のトラフグ及びヒラメの特異的免疫能向上について検討しました。FK-23添加濃度を0〜1.25%の5段階に調節した配合飼料を与え、ワクチンとしてVibrio anguillarrum をホルマリン処理し、不活性化した菌体を2度摂取させました。1度目の摂取後から毎週血清を採取し、血清中抗体のV.anguillarumへの凝集能を観察しました。トラフグでは、1.25%添加飼料給餌区で凝集能が最も上昇しました。これは特異的免疫能が、FK-23摂取による非特異的免疫能 の活性化により引き起こされたために起こった現象であると考えられました。以上より、FK-23添加飼料給餌は非特異的免疫能の活性化により、ワクチン効果の上昇とその接続を可能にすることが示唆されました。

Metabolism of Soybean Isoflavones by Intestinal Microbiota.

(大豆イソフラボン類の体内代謝と腸内微生物叢) 大豆イソフラボン類はエストロゲン様活性を示し、乳ガン・前立腺ガン・骨粗松症・高コレステロール血症・心疾患及び女性更年期症候群などに予防効果があると言われています。腸内に到達した大豆イソフラボン類は、微生物酵素により、エストロゲン様活性と抗酸化作用の強いイーコルに分解されたり、活性作用のないO-デスメチルアンゴレンシン に分解されたりします。一人ひとりの腸内細菌叢の構成の差により、この過程には個体差が生じることがわかっています。つまり同じように大豆イソフラボンを摂取しても、腸内に住む菌の違いにより体に役立つ物質にうまく作り変えられない人がおり、そういった方には予め大豆イソフラボンを生理作用を持つ物質に分解したものを用いるか、大豆イソフラボンを強く分解する、安全な菌を摂るのが効果的だと考えられます。

2007年

ヒョウヒダニ主要抗原Der f 1 / Der p 1量測定ELISAキットの開発

ニチニチ製薬が開発したDer f 1 / Der p 1量測定キットの基礎的検討では、1ng/mL〜50ng/mLまでの範囲で理想的な直線性を示す検量線が得られました。さらに希釈試験でも良好な結果が得られました。また、抗体の交差反応試験から、Der f 1 / Der p 1を特異的に検出できることが確認できました。一方、多くの夾雑物を含む糞便中のDer f 1 / Der p 1も測定が可能であったため、本キットが応用範囲の広いキットである事がわかりました。

富山湾深層水からのEnterococcus属乳酸菌の分離と諸性状の検討

乳酸菌などの細菌は、地球上人間が生活できないような環境にも存在し、その環境に適合するような機能を持っています。富山湾深層水は、富山湾の水深300メートル以下から汲み上げられる、河川からの流入や、海流の影響を受けない安定した海水です。その為、一年を通して低温で高圧の環境にあり、この中に乳酸菌を探すことによって、新たな機能を持った乳酸菌を得る事ができないか検討を行いました。その結果、25株の乳酸菌を得ることができました。

2006年

乳酸菌エンテロコッカス・フェカリスFK-23の補完代替医療的効果

Enterococcus faecalis FK-23が持つ補完代替医療的効果 として、免疫賦活作用、抗腫瘍作用、抗ガン剤との併用効果、感染症抑制作用および整腸作用について解説をしています。併せて、FK-23を酵素処理した成分の血圧降下作用、抗アレルギー作用、皮膚疾患(酒さ・にきび)に対する改善効果および血小板凝集抑制効果についても述べています。

スギ花粉主要抗原Cry j 1量測定ELISAキットの開発

ニチニチ製薬が開発したCry j 1量測定キットの基礎的検討を行い、0.39 ng/mL〜12.5 ng/mLまでの範囲で理想的な直線性を示す検量線が得られ、さらに希釈試験でも良好な結果が示されました。一方、多くの夾雑物を含む糞便中のCry j 1 も測定が可能であることから、本キットが応用範囲の広いキットである事が示されました。

2005年

有鞭毛乳酸菌Enterococcus casseliflavus NF-1004エタノール処理菌体 (NP-04) のラットを用いた亜急性毒性試験

有鞭毛乳酸菌Enterococcus casseliflavus NF-1004のエタノール処理菌体 (NP-04) のラットにおける32日間反復投与亜急性毒性試験を600および3,000mg/kg (体重) の投与量で実施しました。その結果、雌雄とも投与期間を通じて死亡動物はみられず、一般状態、体重、摂餌量、摂水量、尿検査、血液学検査、血液生化学検査および臓器重量のいずれにおいてもNP-04投与に起因する変化は雌雄ともに認められませんでした。