研究テーマ C型肝炎

肝臓の働き

肝臓は、肝心要の「肝」という字がついていることからもわかるように、人間のからだの中で重要な働きをしています。

ヒトの肝臓は重さが約1.2〜1.5kgもあり、脳とともに体の中では最も重い臓器のひとつです。

肝臓がダウンすると、有害物質が排除されずに脳などに回って、私たちの生命はたちまち危険な状態に陥ります。 
肝臓の働きには、
・栄養分(糖質、たんぱく質、脂肪、ビタミン) の生成、貯蔵、代謝
・血液中のホルモン、薬物、毒物などの代謝、解毒
・胆汁の産生と胆汁酸の合成
などがあり、私たちが生きていくためには、健康な肝臓であることがとても大切です。

その他にも、肝臓は非常に多くの働きをしていて細かいものまでいれると、その働きは500種類以上にまで及ぶといわれています。

昨今、年々増加する生活習慣病は、肝臓疾患が多いことでも知られます。


C型肝炎のこわさ

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。
C型肝炎ウイルスの感染経路として最も多いのが輸血で、全体の約4割を占めます。しかし、平成元年(1989年)からは、献血による血液にもC型肝炎ウイルスの検査が行われるようになったため、その後、輸血が原因のC型肝炎は大幅に減少しています。その他の感染経路としては、C型肝炎ウイルスに感染している人と注射針や注射器を共用した場合などがあります。

なお、C型肝炎ウイルスは、くしゃみやせき、抱擁、食器やコップの共用など、日常の接触で感染することはありません。

肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。一般的に肝臓には、生きていくために必要な機能の3倍から4倍の能力があるといわれています。この能力を肝臓の予備能と呼びますが、この予備能があるために、重症化するまで自覚症状の現れないケースが多くあります。

肝臓が「沈黙の臓器」といわれるゆえんはここにあります。このことを正しく認識し、症状がない場合でもきちんと検査をして病気を早く発見することが大切です。

日本国内には、250万人以上のC型肝炎ウイルス保菌者がいるといわれています。その中で感染を自覚していない人が多いのです。

C型肝炎ウイルス保菌者の多くは慢性肝炎の症状を呈しますが、一部は肝硬変さらに肝ガンへと悪化していきます。40歳台くらいから肝炎が進行して60〜65歳から肝ガンが急増すると報告されています。肝硬変、肝ガンによる死亡は年間4万5千人、その7割以上がC型肝炎ウイルスの持続的感染によるとされています。

C型肝炎ウイルス保菌者は常に栄養状態に気を配り、体に抵抗力を持たせて免疫力を強めておくことが大切です。


C型肝炎と乳酸菌

C型肝炎の治療には、インターフェロンが主に使われています。インターフェロン療法はウイルスの増殖を抑えるだけでなく、ウイルスを排除してくれます。

ところが、長期の使用は、経済的負担と副作用(脱毛、呼吸困難、甲状腺機能異常など)が問題になります。

インターフェロンを作り出す能力は、元々私たちの身体に備わっています。健康な人は十分にインターフェロンを作り出す事が出来ますが、肝炎の人は作り出す量が不足しウイルスの増殖を防ぐことが出来ません。医薬品のインターフェロンは自分自身の体内で作り出すインターフェロンとは若干異なるため、副作用が生じるのです。

最近、乳酸菌は、インターフェロンを体内で作り出す力を高めることがわかってきました。長期連用しても注射のインターフェロンのような副作用はありません。

なかでも、慢性活動性肝炎と診断され、薬剤投与で効果が見られなかった患者や、体力的にインターフェロン療法が受けられない患者にFK-23を飲用していただいたところ、肝機能の明らかな改善が認められました。
 
このFK-23は、C型肝炎を改善する働きが論文で報告されています。
現在岡山大学医学研究科、ミャンマー保健省医科学局との共同研究で、ミャンマーにおけるC型肝炎の臨床試験を行っています。その結果、FK-23の投与が肝炎の改善に有効である事が確かめられつつあります(下図参照)。